Dive #121 ダイバーとしての個人史 #2 バディについて (6)
さて今回は "ダイバーとしての個人史 : バディについて" の最終回になります。ぼくたちがどのようにバディと海を楽しんでいたのか、準備からダイビングを終えるまでのことをまとめようと思います。
前回までぼくにとってバディとはなんなのかについて述べてきました。ぼくはバディ・システムをとても重視しており、その基礎は小野寺くん (仮名) との関係でできあがったものだと述べました。
Gemini により生成
そして当時 NAUI Open Water I Scuba Diver に過ぎなかったぼくと、CMAS 1 Star Diver に過ぎなかった小野寺くんとの二人は普通にバディ・ダイブを楽しんでいたというお話もしてきました。
ぼくと小野寺くんや、当時のダイバーにとってバディ・ダイブというものは特別な体験では決してありませんでした。本当に誰もがやっていたのがバディ・ダイブでした。
今回はぼくと小野寺くんが、どのようにバディ・ダイブをしていたのか、ご紹介します。ログの記録形式ではなく、ぼくたちがダイビングに出かけるにあたって、実際に何をやっていたのかをリストとして見える化してみました。
無意識にやっていたことの見える化なので、すごくたくさんのことをやっているかのように見えます。ですが意識的にやらないといけないことを除いて、ほぼすべてが無意識に行なわれる誰もが旅でやっていることをやっているのに過ぎないのでした。
ぼくたちが実際にバディ・ダイブでやっていたのは「どこに行こっか」から始まる旅の計画から、実際の旅程を楽しむこと、そして無事に家に帰るまでを二人で相談しながらプランニングして、実際に楽しんでいただけです。本当にただそれだけでした。
二人ともとても忙しかったのとあまり金銭的余裕がなかったので、そのほぼ全てはデイトリップつまり日帰りでした。
ただぼくたちがバディ・ダイブを楽しんでいたころと現在のダイビングスタイルは、いろいろ異なります。当時は安全停止という言葉自体存在しませんでしたし、ダイブ・コンピュータというものも存在していませんでした。
ですからぼくと小野寺くんがやっていたことに、現在のダイビング・スタイルである安全停止だとかダイブ・コンピュータに関する記述も加えています。
バディ・ダイブってこんなことをやってるんだ、って感じていただければ幸いです。バディ・システムの理屈っぽい話は置いておきます。これらはマニュアルにも載っていないけど誰もがやっていたことなのでした。
それと注意していただきたいのは、これをやりきらないとバディ・ダイブができないだとか、ダイバーではない、とか、自立してないとか言うつもりはまったくありません。やれとも言いません。やったほうがいいですよとも言いません。
ただぼくたちはこれをやっていたということを整理したに過ぎません。それを提示しただけです。
あなた自身のダイビングスタイルは当然あるでしょうし、あなたとあなたの友人とのダイビングスタイルはあるでしょう。それは当然です。このリストを見たからといって、真似する必要は欠片もありません。
バディ・ダイブをすることで間違いなくダイビング・ライフは豊かに、おもしろくなりますが、無理はしなくてもかまわないのです。その点だけご注意ください。あなたがどのようなダイビング・ライフを送っていくのかを決めるのは、ぼくではなくあなたです。それだけは間違いなきようお願いします。
こんなことをやっていた連中がいた、それだけのことです。
また色を変えたり太字にしているところは、当時ぼくたちがそれを重要視していたことを示しています。それだけに過ぎないことも述べておきたいと思います。別に他のダイバーが無視してもまったくかまわないことなのです。ただぼくたちはそれをとても重視していた、それだけのことなのです。
またぼくと小野寺くんにとってあまりに自明であることは当然省略されます。すべてを常にやっていたわけでもないことは明記しておきます。おそらく意識に登ることさえなかったと思います。このリストはそういう性質のものです。
ぼくたちは以下のことを二人でやっていました。
- プランニング
-
- 日程を決める
- 目的地を決める
- 目的地にあるダイビング・ポイントを調べる
- C カードランクと潜水能力で潜水可能なポイントのリストアップ
- 各ポイントの特徴を調べる
- 地形を調べる
- 潮流の状態を調べる
- 想定される最大水深を調べる
- ボートにするかビーチにするのか相談
- アンカーの位置 (係留ブイの位置) の確認
- ポイントの見どころを調べる
- その他思い付いたことは全て調べる
- 二人のカードランクと実力にマッチしているかの検討
- 利用可能な現地ダイビングサービスを調べる
- AED の有無を確認する
- バディ・ダイビング受け入れているか確認
- その他思い付いたことは全て調べる
- 話しあってダイビングポイントを決定する
- 現地サービスに受け入れ不能と回答された場合の代替案を二人で考える
- ポイントマップの準備をする
- そのダイビングで何をするのかを相談して決める
- 当日の予想天気の確認
- 当日の予想水温の確認
- 当日の月齢の確認
- 当日の潮汐の確認
- 現地への移動手段を相談して決める
- お互いの緊急連絡先の確認して、連絡手順を確認する
- 緊急時医療機関を確認する
もちろん減圧障害治療が行える病院を調べる
- お互いの欠点の確認する (カバーしあえるかを確認する)
- 耳抜きが苦手?
- 実はマスククリアが苦手?
- 緊張しやすかったりするか?
- 船酔いしやすいか?
- お互いの適正ウェイトは把握しているか?
- 二人とも中性浮力はとれるか?
- フィンキックが苦手だったりしないか?(泳力にあったポイント選びをしているか?)
- その他思い付いたことは全て確認する
- ダイビング・コンピュータで潜るかそれともダイブテーブルで潜るのかを相談して決める
- ダイビング・コンピュータ非所持の場合現地サービスで借りることができるのか確認する
- タンクレンタル先をどうするか相談して決める
- 二人にそれぞれのバディを支えるための追加トレーニング等が必要か検討する
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- 苦手スキルをリストアップする
- 必要と判断したら苦手スキルの再履修を行なう
- 必要と判断したらステップアップコースを受講する
- その他、二人のためになることはなんでもする
- バディとしての適任性をお互いに評価する
-
- バディを支えるためのスキルアップを志向しているかの相互確認
- ダイビングに必要な講習の終了と認定の確認
- 機材に関してバディへの依存の有無
特にシグナルフロート、ダイブホーン、ダイブミラー、ポケットマスク等の緊急グッズなど非常時用アイテムを相手に依存していないかの確認
- ダイビングコンピュータを所持しているか、あるいは購入の意思があるかの確認
- 機材のメンテナンスと保守をきちんとやっているかの確認
- バディの機材の操作方法を理解しているかの確認
- スキルの維持とブラッシュアップを行っているかの確認
- トラブル予防技能を身に付けているかの確認
- 緊急手順を理解しているかの確認
- 全てのプロセスでの過度の依存がないかの確認
- 共にダイビングに取り組む姿勢があるかの確認
- 判断を丸投げしてこないかの確認
- きちんと自分の考えを述べるかの相互チェック
- そのダイビングに熱意を持って取り組んでいるかのチェック
- バディとして助け合う精神を持ち合わせているかの確認
- いざというときにバディとして助け合えるかの確認
- バディに依存することで手を抜こうとしていないかの確認
- バディとしての不整合がある場合、調整する余地があるかの確認
- お互いにきみはわたしが信頼するバディだと最終的にお互いが言い切れるか自問する
- お互いに共にダイビングを行えるかどうかを最終判断する
- 当日の移動
-
- 車の運転の分担をどうするかの決定
- 車の運転の交代のタイミングの相談
- 休憩予定の場所を相談して決定
- 移動費用の分担を決定
- 車中で流す音楽とか
- その他ありとあらゆることを相談して決定
- 現地サービスの確認と申し込みを行う
-
- 現地サービスの施設内容の確認
- 利用申込
- 決済方法の確認
先払い?後払い?等
- バディ・ダイビングが可能かの最終確認
- 希望ポイントに入れるかどうかの最終確認
カードとログの提出
- ダイビング・ポイントに関する徹底したヒアリング
- ポイント・マップの確認
可能ならポイント・マップのコピーをもらう
- ボートの時間の確認
- AED の場所の確認
- 電話の場所の確認
- 医療機関の再確認
- その他注意点の確認
- バディとの打ち合わせ
-
- 緊急連絡先と緊急連絡の手順再確認
- 緊急手順の再確認 (最重要)
- はぐれたときの手順の再確認 (最重要)
- ダイビング計画策定
- ダイビングの目的の再確認
- 最大水深の決定
- 潜水時間の決定
- 終了時最小残圧の決定
- NDL あるいは MDT に対してどれくらい余裕を残すか
- コースの決定
- 計画を中断したり引き返す場合の残圧
- 計画を中断すべきケースの確認
- ダイビング中の位置取りの再確認
- ハンドシグナルの再確認
トラブル発生時を中心に
- 緊急時の手順の再確認
- 必要な水面休息時間の確認
- 潜降方法
ロープ?フリー?
- 耳が抜けないときなど問題発生時にどうするかの確認
- 計画中断を決定する場合の項目を二人でまとめる
- ダイビング中のチェック
-
- 耳抜き不調などの身体状況の確認
- 数分おきの残圧の確認
- 数分おきのアイコンタクトとOKかどうかの確認
- 呼吸が早すぎたり乱れがないかの常時チェック
- バディにトラブルの予兆がないかの頻繁な確認
- バディの行動に異常がないかの頻繁な確認
- 緊急時の打ち合わせ通りの実行
- 浮上時にリバースブロックがないかの確認
- ダイビング終了後
-
- ロギング
- ダイビングで明らかになった課題の確認 (軽めに)
- 次のダイビングに課題をどう盛り込むかの相談
- 次のダイビングの計画 (バディとの打ち合わせに戻る)
以上なのですが、たくさんある!!って思われたかもしれません。ですがよく見るとわかりますが、大半は一緒に楽しく計画を立てて、実行して、ログ付けを楽しんでいるだけです。
ですから易しいポイントから始めて、ステップバイステップで、よりチャレンンジングなポイントへのアタックに進むのであれば、無理をしないのならば、ダイバーであれば難しすぎるようなものではありません。
ぼくたちのダイビングの日常はこんな感じなのでした。
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