ネットに大っぴらにするのはどうかしている第二弾になってしまいますが。
こんなことを言ってしまうのもおこがましいけれど、すごく素敵な人だ。こういう人を師に持つ人は幸せだと思う。
あ、ぼくの師匠の「おれは?」って声が聞こえた気がする (笑)
そんなの決まってるじゃないですか。なんで還暦になっても、ついていってるって思ってるんですか。もうプロになることもないのになんでついていってると思ってるんですか (笑)
ずっともう潜れないって思って 20 年以上過ごしてきたたのに、半ば無理矢理感はあったけど、まだ行けるから潜れっ!!俺が面倒見てんだから潜れっ!!なにやめようとしてんだ!?潜れっ!!ってぼくを引き戻してくれたのは誰ですか (笑)
人生の大事なタイミングでいつもぼくを支えてくれてたのは誰ですか?
そして今でも厳しく接してくれる優しい人は誰ですか?
糸が切れて地面に落下して風雨にさらされてボロボロになった凧を直して糸を結び直して、また揚げようとしている人は誰ですか?
ぼくの大事な大事な師匠は誰ですか?
メルカリで譲ってもらった古い NAUI ダイブテーブルが届いた。1981 年版なので、おそらくぼくが 1987 年に NAUI Open Water I を取ったときと同じもののはずだ。今このダイブテーブルが使えるかと言うと使えない。あまりに数字が古すぎて実際に使うのは危ない。だから使えない。あくまで思い出コレクションとして譲っていただいた。
このダイブテーブル、たとえば最大水深が 42m なのだけど、おそらくオリジナルの米国本国の NAUI テーブルでは 140feet のはずだ。NAUI ダイブテーブルは米海軍のダイブテーブルをレジャーダイビング向けに数字をアレンジしたものだ。だから基本的に単位は feet である。
feet なのでメートル法に換算すると誤差が出るだけでなく、このダイブテーブルは 1feet を 30cm として扱っている。数字が大きくなればなるほど水深の誤差が大きくなる。普通の感覚でこれでいいのか?と思うけれど、どう考えてもよくはない。
140feet はメートルに換算すると 42.672m と 42m を超えてしまう。メートル法に換算するなら 42m ではなく 43m にしなければならない。そうするとダイブテーブルの水深が 3m 毎に区切られているという数列的扱いが損なわれる。だから 42m としてしまったのだろう。間違っている。減圧症を予防するためのツールなのだから 43m としなければならない。
現在の 2022 年版ではどうなのかというと、やはりヤード・ポンド法の数字をメートル法に換算する時に切り上げるのではなく、切り捨てている数字がある。6m は 6m ではなく 7m にしなければならない。そうでなければ減圧症を予防するという目的からダイブテーブル自体が逸脱している。
誤差レベルではないか、という声が聞こえてきそうだ。おそらく確かに 6m は 20feet での MDT(AMDT) で得られたデータの 95% 信頼区間とおおよそ重なっているのだろう。重なっていないのであれば 6m という数字は高圧生理学上根拠がまったくない数字ということになるのだから。
とはいえ、水深の端数を切り上げるのではなく、切り捨てるというのはリスクを大きくするための数値操作になってしまう。減圧症を予防するためのダイブテーブルであるという目的に反している。だから水深の端数は切り捨てるのではなく、切り上げなければならない。
減圧症リスクが高くなると考えられている深い水深 130feet の扱いを見てみる。メートルに置き換えると 39.624m となる。でもダイブテーブルにはメートル単位系として 40m と書かれている。つまりヤード・ポンド法と比べて少し深い扱いになっている。
深めにしているからこれは安全マージンと考えることができる。減圧症リスクを減らす方向に数字が換算されているから、これはよい。
それで 1981 年版のダイブテーブルを見ると、減圧停止の指示が多い。今のダイブテーブルでは減圧停止の時間を知るチャンスは 1 度しかない。
たとえば水深 -18m の場合、現行のダイブテーブルでは減圧停止のチャンスは 55 分の 1 度のみである。MDT(AMDT) を越えて 55 分を越えてしまったら、減圧停止の時間を知る方法は現在の NAUI ダイブテーブルにはない。
これの意味するところは簡単で MDT(AMDT) を超えるな。超えると減圧症になる。ミスることもあるだろうからチャンスは 1 度だけやる。それを越えて潜るのなら減圧症になっても誰にも文句を言うな。そういうことになる。
レクリエーショナル・ダイビングつまりスポーツ・ダイビングでは減圧停止があるダイビングはしてはならないことになっているから、これは正しい。ミスをすることもあるだろうから、チャンスを 1 度与える、それも正しい。間違ってはいない
1981 年版のダイブテーブルのは話に戻る。そのダイブテーブルを見てみる。懐かしい。それはまぁいい。-18m だ。MDT(AMDT) が 60 分と長いのは置いておいて (古いから仕方ない)、70 分、80 分、100 分、120 分の減圧停止時間を知ることができる。つまり減圧症にならないためのチャンスが 4 度もあるとも言える。
でもだからといって本当に -18m で 120 分も潜って減圧停止すれば減圧症にはならないなんて夢想してはいけない。
ダイブコンピュータがある現在、ダイブテーブルを学ぶ上で重視しなければならない重心が変化している。重心は変化しているが学ぶこと自体は不要にはなってはいない。
ダイブテーブルを今でも学ぶ最大の理由は潜水計画時に
の 2 つである。
この考え方はダイブコンピュータを使うようになった今でも一切変わらない。ダイブコンピュータを使うようになった今でも、同様にダイバー自身が NDL より小さな数字のダイビングを常に行わなければならず、さらに水温、運動負荷によってはさらに短い時間を潜水時間として設定せよ、ということになる。
つまり DECO が消えた、NDL を越えてシーリングが出たけれども、浅い水深に移動したら消えたから OK という話ではぜんぜんない。ダイブコンピュータを長く深く潜るためのツールとしては使ってはならない。
ダイブコンピュータは減圧症にならないための補助ツールであって、長く深く潜るための魔法のツールなどでは決して無い。減圧症にならないためにも注意されたい。
もちろん 1981 年版のダイブテーブルは数字が古すぎて使い物ならないのはいうまでもない。