The road Orz passed by 2026 年 06 月

06 月 27 日 ( 土 )

Dive #173 そもそもぼくたちは好き勝手に潜っているわけではないですよというお話

元メッセージの方が投稿制限をかけてらっしゃるようなので、ここに再編、転記して供養しようと思います。

また本稿は喧嘩や元のメッセージ主の釣り人さんを論破することが目的ではありません。

ぼくたちダイバーがどのように海に関わる人たちと調整しながらダイビングを楽しんでいるのかをまとめ、一般の方に説明しておくことを目的としています。

一般のダイバーの方の中にもこのことをご存知ない方もいらっしゃいます。ですのでここで改めてまとめておきたいと思います。

さらには本稿の目的が上記のようなもののため、threads 投稿者の方のニックネームは伏せておきます。繰り返しますが喧嘩が目的ではありませんので。

まずは元メッセージの釣り人さんの最初の書き込みをご紹介します。

ありえないだろ!!!

久しぶりに有給使って釣りに来たの🎣

釣りやってたらだよ?俺の方が全然先なのによ?

ダイバーの群れが。

私の釣りしているところにさ、平気に来てさ!!釣り糸に引っ掛けていくし、それが切れるし🤣

もーーーー!!!!ムカつきまくり!!!!

何なんだよ⁉️他にもあるでしょ?わざわざ俺の前来る??

久しぶりに頭にきた。

帰りますm(_ _)m

それに対して怒りのレスを返されている漁師さん。

漁協関係者でプライベートでは釣り人です。

少し厳しい言い方ですが、間違っているのはあなたです。

まず根本的な部分。

漁師さんダイバーさんいずれにしても釣り糸は見えず、下手をすれば命に関わります。

そこを意識して釣りを出来ない人はモラルに欠ける素人です。

次にあがるのが許可を得て、生業としてやっているか。

漁師はもちろん、ダイバーさんも漁協と連携をとっています。(個人を除くショップさん)

これはあらかじめ潜るポイントや、反対に時期によってここは網を優先するなど取り決めをする事で、網にダイバーが絡む悲惨な事故を防ぐためです。

そして、個人を除く、と書きましたが、本気でダイビングをしている玄人の方はやはり自発的に漁協に確認して連携をとります。

つまるところ、自分の思い立ちだけで釣りをし、それが思い通りにならないからといって「有給が〜」「せっかく来たのに〜」とか自分の都合だけで言ってる貴方はただの自己中。

どれくらい釣り歴あるのかしらんけど、内面も含めて素人です。

何が「ムカつきまくり」だ。オタクみたいなのが原因で釣り禁止場所が増えるんだよ。

現実を見なさい。


以下、本論に入ります。

まず事実関係として整理すると、ぼくたちダイバーは現地のダイビングサービスなどを通してビーチポイントならどこなら潜って構わないかってことの情報を得て潜るのが一般的です。

現地のダイビングサービスは漁協とやりとりして、漁協さんからここなら潜って良いって合意を取り付けています。

そして現地ダイビングサービスは海産資源保護や現地の海の環境保全という名目で、漁業協力金だとか入海料をダイバーから徴収します。そのお金の一部は現地ダイビングサービスを通して漁協にお渡していることになります。

ですからダイバーは好き勝手にどこでも潜っているわけではありません。

漁協との合意を無視すれば必ず問題になります。おそらく地域全体からダイバーが締め出されるでしょう。漁師さんは日々の生活がそれこそかかっているので当然です。そしてそれは以前から日本中の海で何度も何度も繰り返されてきたことなのです。

このような手続きを踏むことで、現地の海を荒らしたり、それ以前にダイバーが現地条例や漁業調整規則を犯さないことを防ぎ、地元漁協とダイビングサービスやダイバーが手を携えて、地域振興にも貢献するということにかなり昔から取り組んでいます。

釣りをされる方も地元遊漁船や渡し船をつかうこと、そして入漁券を購入することで、一時的な漁業権を購入することになるシステムができあがっています。そのようなシステムにより、釣りをされる方たちが知らずに違法行為に手を染めることを防ぎ、ぼくたちダイバーとダブルブッキングすることがないようになっています。

このシステムも近年できたものではなく、長い年月をかけて漁師さんと釣りを楽しむ人たちの間で調整をかさねて築き上げてきたものです。

なのできちんと海を使う、海の資源を持ち帰るための権利手続きをしていれば、釣り人とダイバーが同じ場所でダブル・ブッキングすることは非常にまれになっています。

繰り返しますが、ぼくたちダイバーは無秩序に海に潜っているわけではありません。

潜っている場所は現地ダイビングサービスで潜っても大丈夫だということを教えてもらったうえで潜っていますし、漁業協力金や入海料という名称で地元の海に対する管理コストの一部を負担しています。つまり漁協からそこで潜って良いというお墨付きをもらって潜っています。

もし遊漁船業者や渡船業者を利用されているのであれば、本来はポイント調整が行われているはずですので、問題があるとすればダイバーではなく業者側の運用にある可能性があります。

ぼくがホームとする串本では 10 月から翌年 3 月までエビ網漁の時期に入ります。そのためビーチだろうとボートだろうと最終エキジット時間を早めにするように取り決めがなされています。

現地サービスのガイドを使えば、嫌でもそのエキジット時間を守ることになりますし、現地サービスをきちんと通してセルフで潜られる個人ダイバーであれば、必ず何時までには海から上がってください、っていう指示を必ず受けます。守らないと大騒ぎになります。

大騒ぎになるのは、最初に事故を疑うからというのもありますけれど、絶対に時間を守らなければ漁協さんや漁師さんとダイビングサービスやダイバーの間で問題になるからです。

たとえば 14 時頃、エビ網漁の時期に 1 時間くらいエアが持つダイビングポイントにエントリーしようとしていると、たいてい地元の漁師さんに何時頃からエビ網入れるからそれまでに上がってなぁ、なんて声をかけてもらえることがあります。

もちろんダイバーはそれを守りますし、守らなければなりません。ぼくたちダイバーはどうひっくり返ってもレジャーのために海に入ります。レジャーのために漁師さんたちの生活を脅かしていいはずはないからです。

ぼくがフィクションとして書いた https://orzbruford.jp/202505/14.html#2025051401 は、実は 10 月に入った串本では日常的な風景です。

海では漁業が優先されます。少なくとも私が通っている串本では、その前提のもとでダイビングサービス・漁協・漁師・ダイバーが長年調整を重ねながら海を利用しています。


投稿者の方が消されているのでレスは省略

別枠でレスを頂いたのですが、誤解があるようなので補足です。

えっとぼくは主にレジャーダイバーの方に見てほしいんじゃなくて、遊漁料も払わず違法状態で釣りを楽しんでいるのであろう釣り客さんに対する漁師さんの怒りの投稿で書かれていた、漁協、漁師さん、ダイビングサービス、ダイバーが手を携えて調整しながら海を使ってるんですよ、っていうことの、あくまで追加補足説明をしています。

ぼくたちダイバーは漁師さん、漁協、行政と手を携えて、現地の海を守る立場と役割を担っていますので。

地元のルールを守らないダイバーに対しては地元ガイド、インストラクター、ダイブマスター、アシスタント・インストラクターが注意します。「それやっちゃダメだよ」って。

ゲストの中には叱られた経験がある人もいるはずです。

なのでダイバーで、地元の漁師さん、漁協、行政、警察、海上保安庁と軋轢を起こすことは、非常に稀です。漁業権がない状態でダイバーが海産物を獲ったら、警察や海上保安庁が逮捕権を行使するなんてこともありえます。法律なので知らなかったは通りません。

でも地元のお店を通さずに釣りを個人でやる人は、もしかするとご自身が条例や漁業調整規則に抵触していることすらご存知ないかもしれません。

個人の遊漁者の方は注意が必要です。

また海は残念ながら早いものがちではありませんし、欲望のまま行動していい場所ではありません。そこもお間違えにならないようにお願いします。

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