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02 月 06 日 ( 金 )

Dive #128 同じ轍を踏みそう

ぼくは思う。

ダイビングの主要指導団体が乗り出してきているから、彼の望む世界は無理じゃないかな?って。

ダイビングの主要指導団体が乗り出してきているのは、より安全にっていう善意からだろうけど、より安全にだけじゃなくて、そして今度もまたフリーダイビングの世界でも "誰でも"、ってアクションを起こすことは自明なので、もうフリーダイビングの世界も壊れることは必定だと思う。

問題なのは "誰でも" ってところなんだけど、指導団体はおそらくそう思ってない。だからフリーダイビングの世界もスクーバダイビングの世界と同じ轍を踏む、そうぼくは思ってしまう。


スクーバダイビングの世界では、"誰でも安全に" を目指した結果、カジュアルな気分で、でもとても海に適応できていない危険なダイバーで溢れかえってしまった。

そしてたぶんフリーダイビングの世界でもそんな人たちが大量発生すると思う。スクーバダイビングの世界と同じことが起こる。その兆候はすでに Instagram や YouTube で見て取れる。

フリーダイビングはスクーバダイビングと違って、水中では道具の助けを借りることができないので、より安全上のリスクがある。身体技能と知識、シビアな判断力が全てのフリーダイビングの世界に、スクーバダイビングより手軽と勘違いした人たちが大挙して押し寄せてくる。

しかも誰にも、指導団体にすら悪意が存在しないからこの構築化は止まらない。善意が燃料になってるから絶対に止まらない。

善意が燃料になってるときほど気をつけて慎重にならないとダメだとぼくは思う。

善意が燃料だから、それが間違っていても、ほぼブレーキが利かない。みんなそれが正しいと思ってるから止まらない。全体構造が破綻に向かっていても、崖が目の前に迫っていても止まらない。


海のなかでも人が死なないなら話は簡単になる。誰でもどうぞってなれる。だけど、人って空気中でないと死ぬ生き物だということに変わりない。

水中に沈めて 1 分以上生きてる人は稀だ。

だから色々学んだり、スキルを磨いたり、機材を準備したり、自分を客観的に見つめたり、学び続けることが必要なんだけど、それを言っても多くの人には届かない。全然届かない。

それを言うと老害だとか言われて排斥される。

やっぱり、ぼくとしてはダイビングを始めるなら、最低でもレスキューまでは取ってください、ってお願いせざる得ない。それまではとてもじゃないけどぼくはダイバーだなんて呼べない。

やっぱりレスキューがスタートライン。

それがぼくの実直な気持ち。


インストラクターやガイドがいるから大丈夫、そういう人は多いけど、そんな事あるはずがない。そう言ってしまう人からインストラクターやガイドは水中で何メートル離れているのか。そんな当たり前のことが、それを口にする人は、まったくわかっていない。

インストラクターやガイドも体もひとつしかない。そんな当たり前のことすらまったくわかってない。

今も昔も水中でパニックを起こして水面に息を止めてダッシュするダイバーが後を絶たないけれど、止めることに間に合ったインストラクター、ガイドをぼくは知らない。

それで肺損傷を起こしたなら命に関わる。なんで間に合わないってそんな簡単なことがわからないのかがわからない。

自分自身のダイバーとしての能力を向上させるしかないのに。


昔は雑誌媒体だったマリンダイビングが公開しているアンケートデータがある。

ポストのテーマはシグナルフロートの不携帯が多すぎるってことを取り上げてる。

でもそれより問題にしないといけないのは "ガイドを必ず頼む" っていうのが 15% も居るってことだ。だけどこのことがまったく理解されない。

この 15% の人はわずか数千円か 1、2 万程度のお金で自分の命を赤の他人にまかせる、まかせたいというダイバーであることを意味している。だからこの 15% の人たちは死亡事故予備軍だと言えるのではないかと強く思う。そんな安い命なのか?という疑問もある。

この 15% の人たちが実は非常に危険な人たちだということが誰にも理解されていない。この 15% を "ダイバーとしての能力向上を図る" に変えないといけない。このアンケートは複数回答ありだろうから、かなりの数の人たちが "ガイドを必ず頼む" を選んでいて安全を人任せにする気満々であることが予測され得る。

こんなアンケートを見てるとぼくは怖い。

しかも善意が燃料になっているときほど怖い。

それが危険であっても誰もとめられない。

だからぼくは怖い。