なぜか NAUI Japan のインストラクターマニュアルにガッツリ記載が省略されているのでまとめ直しました。NAUI の憲法のエッセンスです。ぼくたちはこの哲学のもとで働いています (いました)。
一般のダイバーの方むけではなく、NAUI インストラクター、ダイブマスター、アシスタント・インストラクター向けの内容になります。この厳しい内容をゲストに求めるものではありません。ご注意ください。我々 NAUI インストラクター、ダイブマスター、アシスタント・インストラクターが何を律しなければならないかについて触れています。
これらのことを実際のゲストに相対したときにどう考えるのかは、後々触れていきたいと思います。このままだとやたらと怖いインストラクター、ダイブマスター、アシスタント・インストラクターが出来上がってしまうので (苦笑) それはそれでカラーなんですけどね。でも誰も近寄らなくなるので、もう少し柔くて適応性のある表現で後から解説を加えようと思います。
でもこれがぼくたちの存在意義なので、まず今日は生でそのエッセンスをまとめておこうと思います。
でも間違えたらダメだよ。これを生でゲストにぶつけたらだめなんだよ!?軍隊じゃないんだから。これはインストラクターやリーダーシップのぼくたちの行動と発言を規定してるんだよ!?
NAUI の標準とポリシーのエッセンスについて触れておこうと思う。現役の NAUI インストラクター、ダイブマスター、アシスタント・インストラクターでも知らない場合、忘却している場合があると思うので。わかり切っていることだとは思うが、復習だと思って読み返して欲しい。
以下これから述べることはインストラクターだけでなく、ダイブマスター、アシスタント・インストラクターにも適用されるので、代表としてインストラクターとして記載していく。
まず最初にNAUI の標準とポリシーに明確に記載されているのは、NAUI の標準とポリシーはさまざまな国でローカライズをされているけれども、すべての NAUI インストラクターは、米国本国の NAUI Worldwide の標準およびポリシーマニュアルを優先しそれにに従わなければならないということがはっきりと明記されている。
つまり本国の基準を各国で勝手に基準を下げてはいけないし、下げられているのであれば本国の基準を優先しなければならないということになっている。なのでもし仮に NAUI Japan が NAUI Worldwide の基準を勝手に緩和していたら NAUI インストラクターは NAUI Japan の標準とポリシーではなく、NAUI Worldwide の標準とポリシーに従わなくてはならない。
最愛の人を任せられる人のみインストラクターとして認定されなければならない。
このことは NAUI のインストラクターであれば誰でも知ってる一文だけれども、これこそが NAUI の真髄であり NAUI インストラクターの存在価値だと言える。
NAUI の哲学がこの 1 文に集約しており、ぼくたちはこれを決して忘れてはならないことになっている。
この哲学のもとに最高の指導と楽しみ、ダイバーとしてのパスを提供していくことが使命とされている。
また NAUI インストラクターには学問的自由が保証されなければならないとある。これはつまり常に最新の医学知識、海洋に関する知識、ダイビングに関する知識を追いかけ続けて学び続けなければならないことを示している。また指導も拡張する自由が許されなければならない。ただし緩和は許されない。
このことにより他の団体のインストラクターの優れた指導方法や考え方を取り入れる自由を NAUI インストラクターは保証されている。
NAUI インストラクターは受講生の安全を損なわない範囲で NAUI 基準を超えることができる。むしろ推奨されている。
NAUI インストラクターはたった 1 度の講習で受講生がダイビングに必要なすべての能力を身につけるとは考えてはいけない。継続コースの重要性を訴え続けなければならない。
これは具体的な継続コースを勧めるだけではなく、ツアーであってもそれは継続教育であるということを忘れてはいけないことをも意味している。たとえ楽しみのためのツアーであってもダイバーとしての成長を促さないのであれば、我々は存在する価値がないということを意味する。
NAUI インストラクターは指導するコースを常に改善改良していく義務を負う。そしてその改善内容は NAUI メンバーで共有する義務を負う。
NAUI インストラクターは反復練習の重要性を理解し、それを行わなければならない。
NAUI インストラクターは受講生が基準を達成するまで、根気よく指導し、そのための時間を提供しなければならない。つまり経済原則により基準に満たない受講生を認定してはならないことを意味する。
NAUI インストラクターに認定される受講生はサバイバルスキル (レスキュースキル) を含めた基本的なダイビングスキルを身に着けなければならず、それを身につけることができるように指導しなければならない。
すべてのダイバーは機材に完全に依存してはならない。そのためのスキル開発、指導を NAUI インストラクターは行わなければならない。
これは水泳能力、スキンダイビング能力などの身体能力獲得を重視して支援せよということを意味している。
経済的理由により、認定基準を下げて不十分な受講生の達成を無視して認定してはならない。それよりも少人数でしっかりしたトレーニングを提供せよ。
安全に対する責任はトレーニング中にインストラクターから受講生に徐々に移管せよ。受講生がダイバーとして認定されるには自分の安全に対して完全な責任を負えるように指導しなければならない。
これを一言でいうと、自立したダイバーに育てよ、ということである。これが我々の使命である。
バディシステムはダイビングにおいて根幹を成す最重要事項であり、それをしっかりと指導し、身に付けさせよ。
バディ同士で空気を共有し、緊急時に泳いで浮上することに習熟することはすべてのダイバーの安全に重要であり、しっかりと指導しなければならない。できない受講生を認定してはならない。
NAUI の指導の質を確保、担保するのはすべての NAUI メンバーの義務である。