タイトルのままなのですが、11 月 30 日に Temu で注文していたペリカンプロテクターケースの類似品であるハードケースが届いていました。インプレッションってほどではないのですけれど、どんな感じなのかお見せしておこうと思ったまま放置しておりました。
梱包を解いて取り出したところです。
日本円で 2500 円程度だったこともあり、さすがに 4 倍ほどの価格で販売されているペリカンケースと比べて質感は激しく劣ります。でも実用になればいいんです。もちろんペリカンケースを買えなかったことへの負け惜しみです (爆)
ペリカンプロテクターケースは昔、アシスタント・インストラクターになる少し前に、グレーの A4 サイズより少し小さいものを購入して、自分なりのファーストエイドキットを作りあげて入れていました。たしか当時はグレーしか色がなかったと思います。
むかしはリーダーシップになるような人間は、ショップが備品として備えるようなものでも、個人で持ち運べるものはすべて個人で揃えるという習慣がありました。
工具類やパーツ類なんかもそうですし、持ってないのはかさばる講習で使用するフロートやロープ類くらいだったと思います。そんなになんでもかんでも持っていたのは、必要だと思っていたからになります。
お店の備品と言いましたが、実はそれは本来オーナーの私物でもあるってことになります。税務上も私的利用と事業での利用とで費用や減価償却費の総額は按分しないといけないので。
スタッフというのはオーナーの弟子になるので、自然とオーナーと同じものを揃えていくことになるのですね。なのでショップのツアーでは、ファーストエイドキットというと、オーナーのものとスタッフ各自のものと合わせて数セット車に積み込まれていくことになります。
実際にはみんなめったに怪我などすることはないので、本当はそんなにはいらないのですけれど、でもオーナーを含めて全スタッフが私物のファーストエイドキットをペリカンケースに入れて持ち歩いてました。
ぼくのペリカンケースが行方不明になったこともあり、やっぱりペリカンはいるよな、でもペリカンには今はもう手が届かないよな、ってことで、この安価な類似品を購入したわけです。
あと 1500 円出せばトラスコ中山の製品も買えたことから、そっちの方がよかったかもと思わなくもありません。トラスコ中山のも買う?と一瞬頭をよぎったものの、同じようなものがもうひとつあってもなぁ、と思い直しました。トラスコ中山の同等品に満足できる保証はないですし。
どうせ買い直すならペリカンケースでしょう。高いけど。とはいえ、この中国製ペリカン類似品も普通に丈夫そうです。壊れたらペリカンに!!と思いますが、でもどうしても簡単に壊れそうには見えません。
ちなみに画像下に見える金属製のなにかは、XDeep などのバックフロートタイプの BCD を使ってる人なら、見ただけでなにかわかると思います。ウエイトベルトに付けたら、なにかとはかどるのでは?と思ってためしに 1 つだけ購入してみました。今は BCD を持っていないので。
以下この中国製ペリカンケース類似品がどんな感じかを軽く見ていきます。
安いだけあって、樹脂のインジェクションがきちんと処理されていません。
高価な製品だと綺麗に処理されていますけど、安価な製品では実用性に問題がないということで、こういった仕上げ部分にはコストをかけたくなかったのでしょう。
ラベルを貼って見えなくするという方法もありますが、ラベルってそのうち剥がれちゃいますしね。
値段相応ということでぼく的には許容範囲内です。
このネジはケースの外と内とで気圧差が生じたときに、ケースの外側と内側の気圧差をなくしたいときに緩めることで、空気を出入りさせて気圧差をなくすために付いています。
このコピー品のケースでも同じ役割を本当に果たしているのかは不明です。
ネジを完全に外すとこんな感じです。ただのネジ穴です。よくよく考えたら、ペリカンケースで確認したことがありません。たしかネジ自体完全には外れなかったと記憶しています。
ネジを裏返してみました。O リングが見えますが O リングとしては使われておらず、単にネジ頭と本体に圧着させるだけの構造になっています。ですからこのケースをペリカンプロテクターケースのように水中に持ち込むと水没するのは間違いありません。
と言ってもペリカンプロテクターケースを水中に持ち込んでる人をぼくは見たことがありません。浮いてしまいますしね。それに類似品のように圧着パッキンだけでも、多少の防水、生活防水レベルの防水機は達成できそうです。
ちょっと濡れたくらいは大丈夫そうです。水に沈めたらごく僅かな水深でもたぶん水没しますけど。O リングとして機能する構造になってませんので。
O リングがどのようにして密封を実現しているのかの説明を公開しているサイトはたくさんあります。ダイバーなら一番お世話になってるパーツ (ときには命に関わる最重要なパーツ) でもあるので、仕組みを知っておいた方がいいでしょう。
このペリカン類似品で一番問題を感じたのはここです。
開いてみるとわかるのですが、とても頼りない。ゆるゆるとまでは言いませんが、軽く手を添えただけで外れてしまいます。
力のない小さなお子さんでも開けることができる固さです。それに対してペリカンケースは、かなり力を入れないと開けることができません。
ペリカンケースでは、このレバーが固めになっているだけでなく、南京錠をかけるための穴も開いています。つまりその穴に鍵を通せばケースを開くことができません。ですがこのケースにはそんな穴は開けられていません。
なにかの表紙にパカッと開いて中身がボトボトと落ちないようにするには、ベルトや細引きで縛ってやらないと、ちょっと怖いかな、と思っています。
成形用の型の設計が悪いのか、製造過程の成形問題なのかはわかりませんが、ここは所持気不安感を感じます。
上蓋を開いたところです。ペリカン同様ウレタンフォームが入っています。
ウレタンフォームもペリカン同様切り込みが入っています。ペリカン同様ウレタンフォームをフル活用したい人には扱いやすいかも知れません。
ぼくは普段ウレタンフォームは使わないので、このウレタンフォームをどうするかちょっと悩んでいます。将来絶対に使わないとは限らないので。
さっきの空気穴です。画像では穴に見えませんが、きちんと穴になってます。
樹脂本体にめねじ加工がされているのではなく、金属製のめねじパーツが埋め込まれています。これはめねじが潰れる心配がないので好印象です。安いのに頑張ってる。
本体が蓋と接する縁です。凸状に成形されていますが、ここが蓋側のパッキンに圧着されて防水力を発揮します。
こちらが蓋側のパッキン。ちゃんとパッキンしてます。
ただ上蓋を閉めてレバーを閉めてもレバーがちょっとゆるいってことは先に述べました。なのでどうしてもパッキンの圧着もゆるく、ペリカンほどの防水機能は期待できないことが一見してわかります。
以上見てきたことから、このケースを海で使う場合は、ケース自体はタオルかなにかにくるんで、キャビンなどの水があまりかからない場所に置くのが良さそうです。多少水がかかるとしても、メッシュバッグと一緒にまとめておいておいても問題ないかも知れません。
ですけれどやはり水面にうっかり落とすなどは避けたほうが良さそうです。着水の衝撃で水没するかも知れません。ペリカンほどには強靭ではないので。
売価の 2500 円なら買いだとも言えますが、定価とされている 4716 円なら見向きもしなかったと思います。4716 円なら同価格帯のトラスコ中山のケースを躊躇なく選択していたでしょう。もしかしたら清水の舞台から飛び降りるつもりでペリカンを選んでいたかも知れません。このケースは非常に安いから買った、単にそういうことになります。
買ってみたら思いの外作りは悪くはなくて、ラッキーだったとも言えます。でも 4716 円なら絶対に買ってなかったとは断言できます。